第5期生

幸村 燕

Tsubakuro Yukimura

小説

2022

言語の天使

我々の自己は言語によって構築されている。我々がなにかについて思考するとき必然的に言語を経由する。また、我々は他者とコミュニケーションを取るために言語を用いる。〈私〉とは外部から流入した言語の集積なのだ。そのため小説を書くことは〈私〉を分解し再構成する手段となりうる。言語を変えること、それは私を変えることであり、世界を変えることなのである。言語は意味と結びつきその他の言語と共に生成し、組み替えられ、無限の戯れを生み出す。僕は小説を革命の手段として用いる。なぜなら言語を、言葉を信じているから。

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