インスタレーション(ガラス)
五等分の雲 / 折れた雲
FANGZHOU YUAN
飛行機雲の中はどんな形をしているのか、触ったらどんな感じなのか、それらはどこへ消えていったのか、幼い頃の私はよくこのような事を考えていた。小学生の時、私が住んでいた町は大規模な都市排水システムの交換改造が始まり、セメントと鉄製の排水管は白いプラスチック管に変えられた。その長く白いプラスチック管を初めて見た私は、それが空から落ちてきた雲だと思った。2020年に大学校舎内で排水管の工事が始まり、並べられた排水管を眺めていると小学生の頃の記憶と重なった。このことをきっかけに「雲」をモチーフとした作品を制作した。 「五等分の雲」と「折れた雲」は、幼少期の雲に対する記憶を想起させ、元の雲の認識を解体し、新たな視覚的秩序を再構成するように置かれている。このシリーズは初めてのインスタレーションの様な、空間を使い世界観を作り出す作品に挑戦したため、これまでの制作以上に作品の造形や配置の仕方を試行錯誤し、リズム感のある美しさを追求した。鑑賞者が空間に入ることで、新しい秩序を体験してもらい、その空間で生まれる可能性や認知を再解釈することを狙いとしている。