ドキュメンタリー
見えない国
KONY
「日本にいると子供の頃の香港に戻ったみたい」 ウィリアム(27)は呟いた。 平和な日本のオタク文化が大好きで移住した彼は、過去に雨傘革命で民主派の闘いに没頭。 昨年11月、香港でのデモで拘束され、今は仮釈放の身だ。 今年7月に施行された『国家安全維持法』によって「9月に出頭するように」と香港警察から命じられた。 政治難民として日本に残るか、逮捕されるかもしれないが変わりゆく故郷に戻るか。 私は昨年、香港に渡り同じ20代前半の人たちが命がけで闘う姿を撮影した。 彼らは何と闘っているのか? そして日本でウィリアムにこう言われた。 「自由は空気みたいだ。だから失うまで気づかない」 故郷が故郷でなくなる苦しみを抱きながら全世界で政治難民となった香港人はこれからどう生きるのか。 これは撮影者が自身の故郷に問う「自由とは何か」という問いでもある。