ファッション
新しい祝福 / Boro couture
HANA YAGI
【新しい祝福】 処分されたウェディングドレスや白無垢を素材に制作した。 様々な経緯で処分された祝福のための服はハレとしての役目を終え、亡霊のように見える。 そのような服たちを解体し、繋げて、生まれ変わらせることで新しい祝福の装いを形にした。 白は古来から太陽の光の色とされ晴れ着に用いられるが、処分された服の汚れを落とし過去の白の状態に戻すのではなく色を重ねることで未来への祝福を表現した。 【Boro couture】 青森で生まれた「ぼろ」という服に感銘を受けて作った作品。 「ぼろ」は日本の北の貧困の歴史を象徴するが一方で北の女性たちは集まって手を動かすことで心を解放していた。 貧しさだけでなく、手作業を共有し縫い目に思いを込める祈りの形に注目した。 そのため、この作品の制作にはSNSを通して約100人の人の力を借り当時の青森の人と同じように素材を手で縫い合わせている。 この作品の素材のほとんどが着物や古着の古布だ。 制作を手伝ってくれた人が持ってきた古布も素材に加わり制作の様子はオートクチュールの工房の様だった。 「ぼろ」というこの国でしか生まれ得ない服を新しいオートクチュールとして更新する試みである。