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エントランスから入ってすぐ左手の『gallery』では、高さや幅のある大きめの絵画や、立体感のある作品を展示。作品そのものをじっくり鑑賞できるエリアです。

隣人―あるいは排水口から滲み出る水

高畑 彩佳

Sayaka TAKABATAKE

第3期生

[ 絵画 ]

「人は見ている」が母の昔からの口癖だった。数年前、瀬戸内の島にて誰もいないはずの山道から何かの視線を感じ辺りを見渡すと、目線より高いところで等間隔に並んだ排水口が水を垂れ流しながら静かに佇んでいた。その光景と感じた視線が脳裏に焼き付き、排水口の円を光背と見立てついには自分よりも高次元に位置する存在の目として抽象化し表出させる行為へと至った。自身と世界とのつながりを視線と祈りに変えて具現化させる。

兴城から遠く離れて /
Far away from Xingcheng

丹羽 優太

Yuta NIWA

第3期生

[ 絵画 ]

江戸時代、現在と同じように疫病(コロリ)が蔓延し多くの人がなくなった。当時の人々は疫病を妖怪の仕業だとし虎狼狸(コロリ)という三匹の生き物が組み合わさった生き物が疫病の原因だとし恐れられてきた。そこで今回は三匹の生き物それぞれを描くことで、人間と生き物、そして疫病との関係性を描き表したいと考えた。

本来であればこの作品はクマ財団の成果物としてスパイラルで制作する予定でした。中国の兴城(シンチェン)という場所に滞在していた私は、コロナウイルスの影響で急遽帰国。展示用の作品を中国においてきた私は、戻ってきた京都で制作場所と画材を探すことに。そこで場所を提供してくださったのが宇治にある興聖寺さんでした。そこでわたしは約一ヶ月半、そこのお坊さん達と朝晩の修行を行いながら今回の作品を描きました。

残念ながら展示はかないませんでしたが、興聖寺さんの法要に合わせ、絵を前にして退病供養をおこなってもらうことができ、本当の意味で作品が完成したのでは、と感じています。

今回は急なお願いにも関わらず、場所を貸してくださった興聖寺さん、画材を提供してくださった呉竹さんや恩師を始め、多くの人に助けていただいたこと、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

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倉敷 安耶

Kurashiki Aya

第3期生

[ 絵画 ]

これはシェイクスピアのオフィーリア、ミレーのオフィーリア、ランボーのオフェリヤ、ランボーの永遠をモチーフに「共にあること」を巡る思策と試行である。
我々は孤独な別々の生き物で、思想や主義・主張はそれぞれ異なる。故に、時折ぶつかり合う。では、そこからどう共に生きて行こうか。必要なことは他者や見えない向こう側、自意識の外側への想像力。また我々はお互いのことを知るために、意見を交換することも重要である。

TransColor -色を動かす-

大日方 伸

Shin Obinata

第3期生

[ メディアアート ]

CGに触れ、転がし、投げ、拾い、抱き、嗅ぎ、舐め、聴き、撫で、落とし、割り、壊したことはあるだろうか。

最先端の3Dプリンティング技術を駆使して物質内部の構造と色彩を緻密にデザインすることで、みる角度によって鮮やかに色彩が変動するCGのような物質現象【TransColor】をつくりあげた。

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