毎年、多種多様なプログラムで盛り上がりを見せる『hall』では、映画上映やクリエイター同士のコラボパフォーマンスなど、この期間限りの上演内容が予定されていました。
山道 弥栄
Yamamichi Yae
第3期生
[ パフォーマンス ]
『大日本国法華験記』の牟婁郡悪女、『日本振袖始』の岩長姫、『日高川入相花王』の清姫など、蛇と女性にまつわるエピソードは神話や民間伝承にとどまらず、古典芸能や文学の世界に数多く登場します。
古来より語り継がれ、その度に生まれ変わってきた「蛇と女性」の物語を、義太夫節の新曲と邦楽囃子、コンテンポラリーダンスによって現代に紡ぎます。土着的な想いと記憶を巡るわたしたちの「ふることふみ」をお楽しみください。
長谷川 白紙
HAKUSHI HASEGAWA
第3期生
[ 音楽 ]
服を着る時、その服に願い事をかけることが多くなりました。
自分の体が幻の領域に突入することを期待するのです。
わたしはいつも自分が、現存するものの中で最大の再現領域を持つことを夢見ています。
でも前作を発表してから幻は幻でしかないこと、そして音楽がその領域にアクセスする唯一の手段であることが分かりました。
DAWはわたしにとってシミュレーションと再配置の空間であり、音楽は最も雄弁な嘘です。
これは音楽とわたし自身の嘘と本当について思考し、コラージュすることで幻の体に近づこうとした作品です。
行川 優
YU YUKIKAWA
第3期生
[ シアターピース ]
KUMA EXHIBITION では『koto-baⅡ-そとば―music theater for soundfile and performer』という作品を上演する予定でした。
本作は能『卒都婆小町』を近代戯曲へ翻案した三島由紀夫作「卒塔婆小町」(『近代能楽集』より)を題材とした二台のスピーカーと演者によるモノオペラで、舞台上のスピーカーから流れる録音音声・音楽に合わせて演者が演技をすることで、人間/非人間/幽霊の境界を探るインスタレーション作品です。
『koto-ba』作品は連作であり、今回は第2作目にあたります。「言葉(コト/コトバ)が作り出す空間(バ)」を連想させるタイトルが示すように、音楽/朗読/演劇/といった要素が複合された実験的なシアターピース作品を作ることを目指し、音楽家の藤川大晃と「kefuno.」というユニットを組んで活動しています。
言葉だけで成立する作品ではないのですが、クマ財団のプロフィールページに本来レコーディングする予定だった台本をアップロードしていますので、もしよろしければお読み頂き、雰囲気だけでも味わっていただければと思います。
いつになるか分かりませんが、『koto-baⅡ』は形を変えてまたどこかで舞台作品として上演しようと考えております。
現在『koto-baⅡ』のような舞台作品とは異なった、オンライン配信を前提とした作品も制作しています。2021年からの配信を予定しているので、また違った形で皆さんにお目見え出来ればと思います。
更に私が編集委員として編集・発行している批評誌「夜航」(Twitter:@Yako_Kobe)の5号が2020年10月に発行予定ですので、こちらもご興味ある方はチェックしていただけると幸いです。
渡邉 安悟
ASATO WATANABE
第3期生
[ 映画 ]
ドブ川番外地 あらすじ……数年前に自殺した友の死を受け入れられぬまま、無為な日々を送っている引き篭り青年 増村辰巳は、ある夜、両親の自分のことで諍う声にウンザリし、ふらりと家出する。あちこち歩き回り迷い込んだ街で、浮浪者親父 土川士郎と出会い、彼の家で暮らし始めることとなる。
飄然として何事にも拘らぬ性格の土川と過ごすうち、辰巳は段々と笑顔を取り戻して行く。が……。
川上 喜朗
Yoshiro Kawakami
卒業生
[ アニメーション ]
美術家・川上喜朗によるアニメーション作品を上映します。
アニメにおいて、""少年""というモチーフを一貫して描いてきた。幼少期、青年期に彼らが抱えていた劣等感や焦燥感。静かにゆっくりと流れる時間の中で、そのわだかまりは成熟していきました。「雲梯」(よなご映像フェスティバル・準グランプリ受賞)、「花」(ZOKEI賞受賞)、「螢火の身ごもり」(東京藝術大学アニメ専攻修了制作)全3編。