《私達は土に還ることができるのか》

「私たちは土に還ることができるのか」
昨年オーストリア留学中に撮影を行った映像、写真作品。
異国の土地を歩きながら” 人間は生まれる前樹木であり、そしてまた樹木になる為に生きている” という事を思った。
植物は地球そのものを保つ為に個として根を張り、全体として生きる。土から離れた人間として生まれた私達は、個人としての生に固執し離れたが故に接続を求め、いつしか循環や食物連鎖から離れ言語を使い社会を作り上げ、道具としての無生物を作り出した。そうして私たちは土に還る事をゆっくりと忘れている。
国や文化や性や社会等様々に架空の根を張る組織ではなく、世界の一部として自分はどう存在しているのか。それらを認識するために、耳を傾け言語ではない声を聴くというテーマで制作した。

ストーリー
生まれた土地では無い場所で生き、他者や社会と上手く接続出来なかった 1人の女性が、樹木の麓でコップを拾い声を聴いたことをきっかけに、特別な関係性を見出し旅に出る。世界は存在と関わりあいでできていることに気づき、社会ではなく世界に浸透していく生き方を探っていく。
食物連鎖でもなく、人間中心の擬人化でもない状態のままで織りなすコミュニケーションと循環について。

▶▷▶▷グループ展詳細ページ：KUMA experiment vol.6『一層』
▷▶▷▶ギャラリートーク：https://www.youtube.com/watch?v=14RX0Ghumpc