2022-23
《すべて解けてしまう前に》《叶わないからせめて笑った》《混線に触れる できるだけそっと》《また会えたなら 》《 悲しみはあなたの形をしている》
2021 年より「不在の中の存在」をテーマに、転換子の性格を用いながらインデックスの対象を匿名化・複数化することを試みている。
今回の展覧会では「作家の身体性を隠匿する」ドローイング/切り絵と、「インデックスの主体者を曖昧にさせる」写真を展示。
ドローイング/切り絵において、私は執拗に緻密に描く/切る作業を通してできる限り自分の身体的な行為性を排除している。
しかし身体を介す以上完璧には消し去れない。そこに残る揺らぎに、あるいは写真表現においてインデックスの明確な主体者が居なくなってなお残る存在の残り滓のような気配に、見えるはずのない存在を感じること、そしてその存在を想像することは、シュレディンガーの猫が入った箱の前で立ち竦むことに似ている。
猫は生きている、もしくは死んでいる。
箱の中の猫とあなたが思い浮かべる猫が同じである確証はない。
私にとってのあなたは、あなたにとってのあなたではない。
▶▷▶▷グループ展詳細ページ:KUMA experiment vol.5『箱の中の交差点』
▷▶▷▶ギャラリートーク:https://www.youtube.com/watch?v=aPHq9F0Nsec
©YUKIKA KITAMURA