
2024-25
《Landscape:here》
「新しい風景」を描くためには、風景が形づくられる長い時間や、風景を見つめる私たちの身体が無意識に感じている重力などを感覚的に表現することが重要だと考えた。そこで役に立ったのは、「風景は縦に伸びる」という感覚である。樹木は上に向かって真っ直ぐ伸び、根は地下に広がって自然の景色を完成させる。地層や海は深く世界を支え、空や宇宙もまた驚くほどの高さで私たちの小ささを強調する。建築物も基礎から高層まで縦へと積み上げられ、都市の景観を構成する。こうした要素を画面に対して垂直の統一的な筆致で描き、時間の流れをグラデーションや残像のように表現しながら、一枚の平面に収めていく。実際の風景から色彩を抽出し、画面に再構築することで、部分と全体、中心と周縁の違いを打ち消しながら、層を重ねる。
▶▷▶▷グループ展詳細ページ:KUMA experiment 2024-25 vol.5 『線的時間の面的再現』
©SHOTARO SANADA


