第8期生

杉浦 瑛優

TERUMASA SUGIURA

音楽

現代音楽 / コンピュータ支援作曲

2024-25

《狂 〜玉鬘・前日譚〜》

源氏物語の玉鬘は、夕顔の娘の生前のお話であるのに対し、能では死後に怨霊となった彼女が描かれる。この差に着目した本作品は、源氏物語と能の間の橋掛りとして、「能の前日譚」と位置付けた。「玉鬘」は見目麗しい人の意であり、また、毛髪が自分の意に反して伸び続ける事から「どうにもならない事」の象徴としての意味も持つ。どうにもならない事への執着を口にする時、下方倍音が取り憑き、その堂々巡りの中で、この世と鏡一枚隔てた真逆の世界に、「怨霊」を形作っていく。平安時代も今も変わらず、人はどうにもならない事に執着してしまう。
ヘッドフォンでの視聴体験のほか、超音波スピーカーを用いた展示方法を本展参加作家である頃安氏の協力のもと展開する。人が狂う過程における「幻聴」のような体験を生み出すことを期待する。(機材協力:ピクシーダストテクノロジーズ株式会社)

▶▷▶▷グループ展詳細ページ:KUMA experiment 2024-25 vol.2 『いるけどいない いないけどいる』

《狂 〜玉鬘・前日譚〜》2024
《狂 〜玉鬘・前日譚〜》2024

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