2026
《Larivio》
それは表層の奥底で脈打つ、見えないが確かに存在するもの。本作は鉄を熱し、鍛え、断ち、接ぎ、時にえぐるなどの反復行為によって、思考に覆われた皮膜を破り、内側の層へ触れていく試みである。鉄を扱うということは、人間の営みとその歴史に触れるような感覚にさせる。また鍛造や溶接によって刻まれた時間の流れは、制作時の呼吸や全身を巡る血流と重なっていく。素材と迷い、戯れ、対峙する中で生まれた痕跡は、素材が動いた一瞬の連続であり、それは無意識の水脈に眠る生命のリズムや、原初的な感覚を呼び覚ますだろう。
【9期生による出展作品】
©AREN SAKAZUME