第8期生

葛谷 寧鵬

NEIHO KUZUTANI

建築

幼い頃、苦くて嫌悪するミニカーを無心に何度も咥え、苦味の確かさを悦んだ私は、嫌悪と快楽の繰り返しに生を感じてきました。かなしみと愛おしさ、病みと欲求、安堵とおそれ、相反するようで連続している振り子。スケールを行き来して意味を多元に秩序立てる建築から、揺れ動く生を思索しています。

掲載時点での情報です。

ポートフォリオ

《胎動する記憶》2021

城下町に残っている遺物や 都市構造に現れている求心性を 集団的記憶として 結晶化します。彦根城の 外堀と土塁跡に 銭湯のある集住体を 設計しました。記憶の建築は だれもみたことのない 元初の心象風景を つくります。建築は記憶を胎動させて 過去といま みらいをつなぎます。

《「閾」「襞」そして「ユートピア」》2022

都市の領域性に着目し インフラ結節点に 都市機能のコンプレックスを 設計しました。空間はゆるやかに つながり 途絶えて 多機能になり 余白になります。ひとりで ともに 生きていく時間のリズムや 空間の大きさが 揺らぎ現れます。誰かの世界と 都市の全体性とが 等価値の 祝祭的な日常空間です。

《マチはカワに自生する》2023

東日本大震災で被災し 未だ復興最中の双葉町。汚染土や中間貯蔵庫の問題を解消して 都市成長を促す 4つの公共エリアと 実現可能な賃貸住宅群 微環境をつくりだす都市構造を 設計しました。あたりまえがあたりまえでない双葉町で 微細な微の積み重ねから マチのぶあつさをつくる 懐の深い都市像を 提案しました。

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