第1期生 | 第2期生

久保 哲朗

Tetsuo Kubo

音楽

東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校、同大学学部作曲科を経て同大学院作曲専攻を卒業。2016年、第85回日本音楽コンクール作曲部門にて第2位と岩谷賞(聴衆賞)を受賞。2017年、第34回現音新人作曲賞に入選、聴衆賞を受賞、同年には第85回日本音楽コンクール作曲部門にて第1位と三善賞、明治安田賞を受賞。
作品は、東京交響楽団、藝大フィルハーモニー管弦楽団、等様々な団体、個人に演奏され、委嘱作品も多い。近年は音楽による触感や味覚、色彩をテーマに作曲を行っている。

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ポートフォリオ

《Pipo-t-Chu ~ Passage, Figure, Fanfare ~》for violin, bass clarinet, tuba, piano and orchestra (2017)

時間をパラレル的に扱うことで、新たな時間感覚を得られないかを模索した。異なった時間軸を持つそれぞれのセクションは、一方向の進行ではなく並行するように配置され、多層的に織り込まれる。各セクションは独立した時間・色彩・響きの中を生きながらも、互いに緩やかに干渉し合うことで統一的なフォルムを浮かび上がらせる。

《BABEL》for 6 musicians (2017)

16世紀のブラバント公国の巨匠ブリューゲルの代表作『バベルの塔』は晩年の1568年ごろに描かれたとされる。本作品は、『バベルの塔』から着想を得た数秒の短いセクションを幾重にも重ね多層化することで全体が構築される。各セクションは一方向に「完結」されるのではなく、あたかも時間軸上で回転、分離しながら構成される。

《Fantasia:“Volo degli uccelli” on manuscript of Leonardo da Vinci ~Memory of Tsiolkovsky's Diary~》for orchestra (2016)

レオナルド・ダ・ヴィンチによる写本『鳥の飛翔に関する手稿』は1505年から1506年に記されたとされている。おびただしい数の鳥に関する科学的な観察記録、またその応用として人類が飛行する手段の検証を軸に、18枚の紙葉で構成されている。本作品は、18枚のダ・ヴィンチの紙葉から着想を得た18のセクションを組み合わせながら構成される。

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