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丹羽 優太

Yuta Niwa

絵画

2020

兴城から遠く離れて / Far away from Xingcheng

江戸時代末期、疫病(コロリ)が蔓延し多くの人が亡くなった。当時の人々は、虎狼狸(コロリ)という三匹の生き物が組み合わさった妖怪が、疫病の原因だと信じて恐れてきた。今回は、その妖怪の元となった獣(けだもの)を描くことで、人間と自然、そして疫病との関係性を表現したいと考えた。

2019年夏より中国に留学。春節を中国東北地方の兴城(シンチェン)という町で過ごしていた私は、コロナウイルスの影響で急遽帰国した。展示用の作品を中国においてきた為、京都でゼロから制作場所と画材を探すことに。そこで場所を提供してくださったのが宇治にある興聖寺さんだった。約一ヶ月半、朝晩のお勤めを修行僧の方と共に行いながら今回の作品を描いた。

残念ながら展示は叶わなかったが、興聖寺さんの法要に合わせ、絵を前にして退病供養を執り行って頂いた。この作品はその時本当の意味で完成したのかもしれない。

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