2020
Made out of…
様々な国の紙ゴミを収集し、その国や都市のマップを型どった彫刻を制作するシリーズ。
都市の断片としての紙ゴミ。
それらを自らの手で切り、折るという作業を通じて制作された彫刻は、ストリートアートとして街にゲリラ的に出現させる。
しかし当然それらは市の清掃や雨風によって、せいぜい一週間程度で街のゴミへと返っていく。
ゴミという街の断片が彫刻へと変貌し、その後街へ消えていくというプロセスの後に残るのは、自分が折ることに費やした時間とその記憶のみである。
それはまさしく都市における悪しきスクラップアンドビルドそのものだが、崩れていくマップ(国境)は、その自然物としての形状を取り戻していくようにも見える。
©YUSUKE WAKATA