2022
『ラベンダー家族』/ 記憶ー水ーうつろい
【ホール発表 / 『ラベンダー家族』】
ミキコ(46)は離婚し、都内で一人暮らしをしている。連休の帰省中、高齢の父に車の運転を止めさせようとするが、苦戦する。最近就職し、家を出た息子のサトル(22)は、祖母と何かを小声で話している。家族が抱える問題や、隠し事をされているという疎外感から、ミキコは徐々に苛立ちを募らせていく。
【展示作品 / 記憶ー水ーうつろい 】
神奈川で空襲体験を語る祖父母。沖縄南部の海を見つめる私。場所も時間も異なるふたつの状況に共通するのは、戦争の歴史と、黙々と続く水の流れ。ふと耳を傾けてみると、生活は水で溢れていることに改めて気づく。私たちの存在は儚く一瞬であり、結局最後には、淡々と力強い自然の営みだけが残るのかもしれない。
©KEISUKE SEKINO