《「土の器」Cor.II 4:7》《Figless I》《Figless II》他

「信仰と音楽」

上記の創作テーマは、私自身の信仰が直裁的に表出された音楽のことを指している。私にとって芸術音楽とは単にジャンルや形式的なものではなく、人生の本質的問題に正面から対峙することによって生まれたものでなければならない。
実質（信仰）と構造（音楽）とを両輪に備えたものでありたいという姿勢が、私の創作の原点である。
ところで、クラシックの本流に身を置き音楽活動を営む我々においても、現代の芸術音楽は難解とされている。しかしその内部へ一歩踏み入り、作品の内実＝作曲家の意図・背景・思想等に触れたとき、私たちは想像を超える音楽の不思議な魅力に一層近づくことができるであろう。その手掛かりになるのが楽譜、自筆譜、作品スケッチなどの音楽のプロセスである。ここでは実際に音楽を見る、或いは音楽を知ることによって、抽象的な音の聴き方をガイドする機会を提供したい。