2023-24
《 Flip the paper near the chin 》
南東諸島で脈々と受け継がれている無形の踊り、カチャーシーに出会った。この踊りはひとの生活に根付き、どんなひとでも踊ることができるため、当事者や部外者という枠組みを無くす。またいとも簡単に隔たりをほぐすことができる。
この作品は顎に近い台の上に重ねた 2 枚の新聞用紙の端を左右で持ち、めくったり戻したりしてオレンジ色の留め具を跨いでボーダーを超える。そして装置を誰かに棒で引っぱられたりするとカチャーシーが踊れるようになる。オレンジ色のボーダーラインは南東諸島のとある境目に引かれている。カチャーシーの踊りの性質のように、この境目をどんなひとでも超えられる、また返ってくることが可能になればいいのにと思う。今のところ許可なく超えることができるのは野良犬と蝶。
▶▷▶▷グループ展詳細ページ:KUMA experiment 2023-24 vol.1『めくる、くぐる』
©KAEDE YAMATO