2023-24
《 連作・冬毛族 》《 cue (all about a fiction) 》《 五月八日 》
表題「trust issues」は「病的なまでの人間不信」を意味する。抑圧を訴えるための言語そのものが存在しない、あるいは奪われている、という状況下で、文学における一人称的な語りはどこまで抑圧へと切り込めるのだろうか。一連のテクストにおけるクィアな人間関係をめぐる裏切りの表象は、作者自身が持つ現代短歌・現代詩という形式と、それをめぐる人間関係へのまなざしと重なる。また会場内では作者自身が来場者と交流しながら 30 首の短歌連作を制作し、会期終了後に文字媒体で配信する、というパフォーマンスを行う。文字媒体と生身の身体を同一の空間に並置することで、個人的な経験を詩的言語で表象することの意義について再考する。
▶▷▶▷グループ展詳細ページ:KUMA experiment 2023-24 vol.1『めくる、くぐる』
©TSURANE KATABIRA