2024-25
《When Sweat Drips Faster, We Boil》
私が初めて銭湯に行ったのは、日本に移住した13歳の時だった。強烈な熱気と湿度、赤く熱った裸体が歩き回り、入浴し、おしゃべりしている光景を鮮明に覚えている。恐怖心に襲われ入ることができず、その日以来銭湯は常にカルチャーショックと混乱の根源にある場所となった。
自分のアイデンティティに対する拒絶反応と銭湯に対する恐怖心に繋がりがあったのだ。それは、私のアイデンティティの一部であるはずの“異国”の地で生活した経験の反映なのかもしれない。この絵画を制作する過程で、週に一度地元の銭湯を訪れ、その環境に身を浸し、その行為は自分のアイデンティティのと向き合う方法でもあった。私が今まで銭湯と日常生活で体験してきたカルチャーショックや疎外感に根ざした不快感や葛藤をこの絵画を通して表現した。
▶▷▶▷グループ展詳細ページ:KUMA experiment 2024-25 vol.8 『THE CLIMAX COUNCIL』
©YENNIE EBIHARA


