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スクリプカリウ落合 安奈

Ana Scripcariu-Ochiai

インスタレーション

現代美術/写真/映像/絵画

2018

浄闇 / KOTOHOGI

火打石という原始的な発火方は、日本では実用性以外に「厄除け」、「清め」、「縁起担ぎ」などの意味があり、現在でも用いている人々がいる。一つの原始的な行為が、時間や距離を超えて多様な意味を与えられていった。そこに現れる違いの面白さや類似点から、民族や年齢、時間、距離を超えて、つながっているものに思いを馳せる。
私は昨年、祭のリサーチで訪れていた、逗子の祭礼の中で初めてそれを見た。そこでは、神輿の中の御霊を神殿に戻す際の儀式の工程の一つとして行われていた。その行為だけがとても原始的に感じられ、強烈に記憶に残り、夜に自身で再現を試みたことからこの作品が生まれた。 
日本とルーマニア、そして他の国々の祭の研究をする中で、地域ごとの信仰・祈り・風習の形の多様さに驚いた。そしてまた興味深いのが、外部の者には不思議なものと感じられるそれらは、現地の人にとっては昔からそこにある「当たり前のもの」なのだ。そのギャップは壁などではなく、世界に無限に散らばっている面白みなのである。

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