インタビュー
【クリエイター奨学金(AI)「奨学生の声」】vol.2 舞台芸術 / 大塚 健太郎
クリエイター奨学金第4・5期生
1998年生まれ。神奈川県出身。劇作家、演出家。劇団あはひ主宰。早稲田大学文学部卒業。古今東西の文学作品を題材に、それらを解体し、再構築する作劇手法は、「きわめて現代的な、ヒップホップ的感性による方法」として注目されている。
活動内容を教えてください
「劇団あはひ」という団体で、劇作家・演出家として活動しています。
“あはひ(間)”という名前には、過去と現在、自己と他者、アートとエンタメなど、あらゆる二項対立を前提にするのではなく、常にそれらの中間地点に目を向けることで、新たな関係性や価値観を生み出していきたいという思いが込められています。
演劇が他のメディアとの隔絶や時代的・地理的な制約から越境し、それらと混ざり合うメディアとして現代社会に新たに位置付けられることを目指して活動を続けています。
クリエイター奨学金に応募しようと思ったきっかけは?
応募以前から、SNS等でクリエイター奨学金の存在は認識していました。
そんななか、演劇公演を実施した際、お客さんのなかに現役奨学生のクリエイターがいらっしゃり、応募を勧められたのがきっかけでした。
当時徐々に公演規模が拡大してきており、掛かる時間や費用も大きくなりつつあったので、支援をいただければありがたいなという思いで応募しました。
奨学金は何に使いましたか?
主に生活費と作品製作費に充てました。
それまでは大学の授業に出席し、夕方からアルバイトをしたあと、深夜から24時間営業のファミレスで執筆、というような生活をしていたので、そういった負荷はかなり軽減しました。
作品製作に際し、関連資料を集めそれらを読み漁るところから始まることが多かったので、そういったリサーチにも活用しました。
クリエイター奨学金に採択されて良かったことはありますか?
自分が奨学生だった4−5期にかけてはパンデミックの影響が大きく、クリエイター奨学金の交流カリキュラムのひとつであるキックオフイベントやキャンプの開催がなかったので少し残念ではあったものの、それでも同年代かつ異ジャンルのクリエイターの何人かと知り合うことができ、作品としてコラボレーションも実現しました。
たとえば当時、奨学生同士が参加するグループチャットの中で、同期の髙橋健太さんというアーティストの方が個展の告知をされており、同年代にこんなにかっこいいアーティストがいるのか!と驚きすぐさまその個展に伺いました。
髙橋さんは日本画からキャリアを出発しつつ、その伝統的手法と現代のデジタルイメージに親和性を見出し、独自の手法で革新的な表現を開拓されている方で、能や落語といった古典芸能と現代演劇をいかに接続するかという自分のテーマとも勝手ながら共鳴するものも感じ、公演のメインビジュアルとなる絵画の制作を依頼しました。
奨学生卒業後も、元奨学生のクリエイター仲間や財団と関わりのあった方と会うことがあると不思議と連帯感が生まれている感じがします。笑
最後に、応募者に一言!
自分のフィールドと異なるクリエイターとの出会いは、自分の表現を思ってもみなかった偶然性に開いていくのに良い機会になると思います。
「ぶっちゃけバイトの数減らしたいんだよな……」的な気軽な気持ちでまずは応募してみてください!
いつか皆さんと一緒にクリエーションできるのを楽しみにしてます!
「クリエイター奨学金(AI)」第8期生の応募締め切りは
2024年3月24日(日) 23:59まで!
詳細は以下をご確認ください。