インタビュー

和風ビートボクサーとして、日本人の自分にしか出せないテイストを大事にしたい。〜4期生インタビューVol.31 SHOW-GO〜

 

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クマ財団が支援する学生クリエイターたち。
彼らはどんなコンセプトやメッセージを持って創作活動に打ち込んでいるのか。
今という時代に新たな表現でアプローチする彼らの想いをお届けします。

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4期生41名のインタビュー、始めます!

SHOW-GO

1999年北海道札幌生まれ。
札幌市立大学 デザイン学部・デザイン研究科在籍。
中学生のときにYouTubeで見たHumanBeatboxに魅了され、独学で技術を習得し、2017年に「Grand Boost Championship」で日本チャンピオンとなる。
同年、アジア大会「Asia Beatbox Championship2017」で3位となる。
2018年に世界大会「Grand Beatbox Battle」に出場し、日本人初となる決勝トーナメントに進出し、ベスト8という快挙を達成。
2020年5月に1stアルバム『Beatbox Only Vol.1』をリリース。
同年10月にEP『JAPANESE』をリリース。主にYouTubeを中心に活動している。
https://www.youtube.com/c/SHOWGO/featured

https://kuma-foundation.org/student/show-go/

 

 

ビートボックスの音の習得は、楽器を作っていく感覚

 

――1stアルバム『Beatbox Only Vol.1』が2020年5月にリリースされ、10月にはEP『JAPANESE』がリリースされましたね。それぞれのコンセプトを教えてください。

 

SHOW-GO 『Beatbox Only Vol.1』はHumanBeatbox(以下、ビートボックス)だけで全曲オリジナルにこだわったアルバムだったんですけど、『JAPANESE』は直接ビートボックスには結び付けず、DTMの打ち込みで制作しています。打ち込みをやり初めてまだ1年ちょっとしか経ってないんですけど、ビートボックスとは別の趣味みたいな感じで、楽しんで作りました。

僕は京都が大好きで、年に2回は京都に行ってるんですけど、今回、京都に3カ月ほど長期滞在したんです。京都に行く直前に『JAPANESE』の制作を開始して、京都のアーティスト向けホテルで生活しながら制作したので、「京都の思い出を残したい」という気持ちで、コンセプトは京都のイメージです(笑)。

 

――今や世界的に知られたビートボクサーとして活躍していますが、ビートボックスを始めたきっかけはどんな感じでしたか?

 

SHOW-GO 中3のときにヒカキンさんのYouTubeを見て、「クラスでできたらモテるんじゃない?」という軽い気持ちで始めたのがきっかけでした。ヒカキンさんの影響は絶大で、自分も含めてビートボックスをやっている人の8~9割はヒカキンさんがきっかけなんじゃないかというくらいなんです。それから関連動画で出てくる海外のビートボクサーの動画を真似て練習するようになって、独学で今に至ります。

 

――ビートボックスの難しさはどんなところにありますか?

 

SHOW-GO 音の習得が一番大変だと思いますね。人によって口の構造が違うので、一生できない音があったりして、音との相性があるんです。一音一音覚えていく過程がとにかくハードで、その音が出せるように楽器を作っていくような段階なんですよね。

 

――何種類くらい音を持っていますか?

 

SHOW-GO 数えたことはないですけど、使わない音も入れたら100種類くらいはあると思います。そのうち使うのが20~30くらいで、それを組み合わせていく感じですね。

 

――そのレベルに達するまでには、気が遠くなるような練習の日々だったのでは?

 

SHOW-GO 僕は基本的に練習はしないです。ビートボックスが生活の一部になっているので、風呂に入っているときや家でヒマなときに無意識でやってる感じです。だから練習したという記憶があんまりないんですけど、ヒマな日は朝から晩までやってるときもあります(笑)。

 

――ビートボックスが上手くなりたいという人に向けてアドバイスをお願いします。

 

SHOW-GO ビートボックスをやりたいという人が増えたことで、最近は習える場所も増えているんですけど、僕は独学が一番いいと思っています。ビートボックスは覚える過程で、人によってすごく音が変わるものなんですね。同じ音でも人それぞれの味が出てくるんですが、人から習ってしまうと、その人の音に似てしまうんですよね。それはそれでいいんですけど、個性が薄れてしまう気がするので、探り探りやっていく中でできた音の方が“自分の音”という感じがして僕は好きですね。

 

――YouTubeを中心に活動していますが、チャンネル登録者数17万5千人というのもすごいですね。YouTubeで活動することの良さはどんなところですか?

 

SHOW-GO 国籍問わず見てくれることですね。見てくれる人の国籍が本当にバラバラなので、世界にアプローチできている実感があります。僕はわりと気分屋なので、映像ができたらすぐに公開したくなるんですが、個人的な活動なら映像ができた次の日に上げても問題ないので、そういった意味でも自由な活動がしやすいですね。

 

――ビートボックスを通じて伝えたい価値観やメッセージはありますか?

 

SHOW-GO ビートボックスは一人でどこででもできるものなので、そんなに難しく考えず、気軽にできることが魅力だと思ってます。それこそ鼻歌を歌うくらいの気軽さでできちゃうものなんですよね(笑)。世間の人は人生賭けて本気でやっているようなイメージを持つかもしれないけど、ビートボックスは軽い気持ちで始めても上手くなれるし、それでも十分楽しいということを伝えたいですね。

 

 

 

ビートボックスに歌とメロディーを入れた新たなスタイル

 

――2017年にアジア大会3位となり、2018年には世界大会で日本人初となる決勝トーナメント進出を果たしていますが、あらためて感想を聞かせてください。

 

SHOW-GO ずっと映像で見ていた人と同じ舞台に出られるということが楽しすぎて、日本人初ということはあまり意識しなかったですね。アジア大会も世界大会も優勝を目指す気持ちは微塵もなくて、インパクトを残して話題になった方が自分の活動のためになると思っていました。バトルの相手を意識するというより、自分との戦いというか、会場全体との戦いみたいな感じで、とにかく一番目立とうというモチベーションでしたね(笑)。

 

――世界最高峰のビートボクサーからどんな刺激を受けましたか?

 

SHOW-GO インスパイアされることがすごく多かったですね。今の僕のスタイルは、ビートボックスに歌を入れて音楽として表現する感じなんですが、それもアジア大会出場がきっかけでした。準々決勝で友達の韓国人ビートボクサーと対戦したんですけど、彼が歌いながらビートボックスをやっていて、それがすごく刺さったんですよね。彼にインスパイアされて自分もビートボックスにメロディーを入れるようになったので、技術的な部分よりも根本的な部分で影響を受けた感じでした。

 

――歌とメロディーがあるビートボックスを初めて聴いて、すごく新鮮でした。作曲の要素も入ってくるわけですが、新たなビートボクサー像は意識していますか?

 

SHOW-GO やっぱり一番大事なのは個性だと思っていて、ビートボックスだけで考えると個性が薄れてしまいそうに思うので、純粋に自分が表現したいものをビートボックスで表現するという意識でやっています。

最近少しずつ歌を入れる人が増えていますけど、音程のピッチ感など音楽的な要素が加わってかなり難しくなるので、まだまだやっている人は少ないです。僕もそうですけど、ビートボクサーは音楽経験がない人が多いので、慣れも必要ですし、とにかくたくさん音楽を聴かないと身につかない部分なんですよね。最近はインディー・ポップをよく聴いているんですが、家で制作して家で録音しているような自分のビートボックスと近いスタイルのアーティストから影響を受けていますね。

 

――個性という点では、髪型やファッション、PVの映像やアイテムのひょうたんなど、全体的に“和風”のテイストが持ち味になっていますね。

 

SHOW-GO 昔から和風のものが好きで、「好き全開」という感じですね(笑)。国際大会に出た当初は今風のファッションだったんですけど、同じようなファッションだと海外のビートボクサーの方が絶対かっこいいじゃないですか。その中でかっこよさを出すにはどうしたらいいかを考えたとき、日本的ファッションなら日本人の自分が一番しっくりくるはずだと思ったんです。楽曲制作にしても、聴いているのが洋楽中心なので自然とそのテイストが入ってきますけど、それだけだと洋楽のオマージュになりかねないので、日本人の自分にしか出せないテイストを模索しながら制作している感じです。

 

――ビートボックスや音楽活動と並行して大学でデザインを勉強していますが、将来はどんなアーティスト活動を思い描いてますか?

 

SHOW-GO 今はビートボックス、打ち込みによる音楽制作、デザインの3つをそれぞれ独立した柱として考えていて、ときどきアルバムのジャケットを自分でデザインしたり、相互作用がある感じです。それぞれを洗練させていって、いずれは自然なかたちで結びつけていきたいですね。

もちろんビートボックスはずっと続けていくつもりですが、専念はしたくないと思っているんです。ビートボックスを生活の糧にしてしまうと、クライアントやイベントで求められるビートボックスをやることになって、今みたいに自由に活動できなくなると思うんです。それこそ大学で勉強しているデザインを仕事にして、制作の面でも経済的にも心に余裕を持ってビートボックスの活動を続けていければいいですよね。

 

――本日はありがとうございました!

新型コロナウィルス感染防止のため、オンラインにて取材。

 

SHOW-GO information

■1stアルバム『Beatbox Only Vol.1』
2020年5月リリース
https://music.apple.com/jp/album/beatbox-only-vol-1/1511134863

 

■EP『JAPANESE』
2020年10月リリース
https://music.apple.com/jp/album/japanese-ep/1535367606

 

 

Text by 大寺明

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