第7期生

宮林 妃奈子

HINAKO MIYABAYASHI

絵画

1997年北海道生まれ。2023年ベルリン芸術大学視覚芸術学部修了 マイスターシューラー取得。現在、東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻在籍。日課としているドローイングの連続性を手がかりに、支持体と描画材との必然的な関わり方を探究しています。

掲載時点での情報です。

ポートフォリオ

《 冷たい朝に走る / 小さなカーニバルに / 氷柱が鳴る 》2023

必然をずっと探している。モチーフ、画面、道具や素材の必然性。素材に描かされること。目の前で起こる現象、図らずもハッとする瞬間。葉が落ちる。枯れて形をつくること。送られてきた手紙の文字が、言葉であることをやめ、ひとつの風景として立ち現れること。目に見えなくてもきっとそこには理のような必然がある。

《 Fall in Fall 》2021

風になびく髪。シャワーのお湯に濡れた髪。特別な日の前に、髪を切る。柔らかく光を通す子供達の髪。自転車を漕ぐお母さんの髪が海苔のように空を泳ぐ。毎日見ているはずなのに、いつのまにか伸びている髪に驚き、過ごした時間が蘇る。ポーランドのアウシュビッツでみた、女性の髪で巻かれた2トンのロールが忘れられない。

《 器に跳ねたリズム 》2023

当たり前に存在していたことが、ある瞬間を境に変わってしまって、はっとする。それは言葉で認識するよりも以前のなにかで、自分の目の前で起きていることを、自分の目でたしかにみる事で、周りも含めて立ち上がって広がっていく気配のようなものが、絵になる。いま目にうつる枝も、一歩あるけば、景色にいなくなる。

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