第6期生

竹歳 和真

KAZUMA TAKETOSHI

絵画

日本画

1998年生まれ、嵯峨美術大学大学院在籍。基本とされる日本画制作過程のそれぞれ、役割や効果、意味を探ると同時に、作品化への根本である「写生」を自然物を対象に追求している。 自身の内面のみで作品を完結させるのではなく、制作の過程や発表の機会などを通して、社会や人々と繋がる。それに喜びを感じる。

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ポートフォリオ

湧く

春の愛宕の山、杉並木に覆われ薄暗い山道をしばらく進むと、ふと開けた明るい場に出た。以前の台風の影響で土砂崩れがあり杉達が倒れている。光が差すそこは、岩壁から山水が湧き出で、まるで自身の存在を誇示するかのように輝く「生命の岩」が存在していた。

生命の岩

岩肌には苔や山草が生い茂り、虫やサワガニやカエル達の住処ともなっている。一見何ともないただの山道の脇の光景であるが私はその生命感溢れる情景に心惹かれた。冷たい山風が身をさす。背の方を流れる川の音や湿った土、山草の匂いが心地よい。雨が降る日も足を運ぶ。雲が裂け太陽がそこを照らすと草露が輝き美しい。

流れゆく

老樹の表皮から感じられる確かな生命の流れ。そこに入り浸るように写生を行う。朽ちゆく感覚と同時に、生命の豊かさを感じ取る。日本画制作において最重要ともいえる「写生」の喜びに気づくきっかけとなった作品。

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