第9期生

黒澤 匠

TAKUMI KUROSAWA

絵画

2002年京都生まれ。東京藝術大学在籍。自然の改変や認識の限界など、現代の環境と知覚をめぐる問題に関心を持ち、絵画・映像・インスタレーションを制作。制作を「超現実を記述する言語の開発」と捉え、アートによる日常の転覆を通じて、新たな自然観の表現を模索する。

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ポートフォリオ

《ナショナル/ National》2025

本作は画面上で複数の視点が同時に並置される絵画である。日本家屋で一般的な蛍光灯は巨大に描かれ、全く異なる文脈のイメージとぶつかり合うことで本来の意味から引き剥がされ、鑑賞者に意味の再考を促す。

《雨傘 /Umbrella》2024年

本作は交換留学先ウィーンで一週間に渡り撮影した膨大なデータをコラージュした映像作品である。撮影は庭園等の「自然を模した施設」と工業地帯、発電所等の「人工的」サイトが対比され、ステレオタイプな「自然」像の枠に収まらない、人間による搾取と改変が含まれたエコロジーの多視点的総体が描き出される。

《チェスをする二人の男 / Two Men Playing Chess》2021

この作品は1912年に行われた伝説的なチェスの試合を描いた絵画であり、試合の棋譜を文章に変換する方法によって描写する。無作為に選ばれた単語が織りなす文章はほとんど意味をなさないが、そこには伝説の試合の構造が保存される。この作品は絵画の本質的な行為、「描写すること」を問うた作品である。

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