2023-24
《 六本木ルミネセンス 》
この展覧会が決定した際に、展示会場である六本木に溶け込むような新作を、と思い立ち六本木周辺を探索した。江戸から大正にかけて武家屋敷が広がっていたこの一帯は、空襲によって消失、のちに若者が集まる繁華街として復興した。六本木ヒルズ開業を皮切りに、緑の中に西洋化されたオフィスビルが共存する現在の姿となった。「伝統」と「革新」、2つのアイデンティティを併せ持つこの街の姿を、笙とピアノという異国の地で生まれた楽器のデュオに委ねた。飛鳥・奈良時代ごろに中国から渡ってきた日本の伝統楽器の笙と、1700年ごろヨーロッパで誕生したピアノ。オスとメスが呼応するホタルの発光にみたて、伝統と革新が共存する六本木に想いを馳せて作曲した。
▶▷▶▷グループ展詳細ページ:KUMA experiment 2023-24 vol.6『日々の触覚』
©KENTO ISHIKAWA